ゼロの視点

前回に引き続き、講師:浅野智先生のコラムをお届けします。

「クロッキーとデッサンの違いについて」 2014/7/27更新

下の作品はムービングポーズ中にモデルが1分程止まった時のポーズを

クロッキーしたモノです。描画時間もほぼ同じくらいです。

クロッキーとは瞬時に対象の全体感を捉え定着していく事です。

この全体感とは輪郭だけでなく空間や動きを備えた形であり、それを

フォルムと呼びます。

 

絵画を趣味にされている方の多くがクロッキーを短時間のデッサンと

把握しているようです。ポーズ終了時に「間に合わなかった!」と嘆い

ている方の作品を拝見すると顔や胸あたりまでは丁寧に描いていても

腰から下はまるで描いていない方が多くいらっしゃいます。

またポーズ時間を5分ポーズに設定すると「早過ぎて描けない。」と

諦めて描かない方がいます。

描画法がデッサンのままなのでそれは無理ですね。

クロッキーとデッサンは似ている部分や考え方が重なる部分ももちろ

んあります。人によって捉え方、考え方も異なるので絶対的な定義は

無いと言えるでしょうがクロッキー力を高めるためにはデッサン的な

丁寧な見方だけでは限界があります。

次回はクロッキー力を高めるトレーニング法について書きます。

 

*ムービングとは

 モデルがポーズ中、常にゆっくりと動き続ける事。

 場合によってですが参加者の「stop!」の声で短時間そのポーズで動

 きません。参加者の合図、またはモデルの意思でポーズは崩れて動い

 ていく特殊なポーズです。ムービングを出来ないモデルもいます。

 

★過去の「講師コラム」一覧

「アートトレーナーという考え方」2014/2/4更新

http://zero-dessin-club.hatenablog.com/entry/2014/07/27/011452

 

「デッサン力とは?」2013/8/9更新

http://zero-dessin-club.hatenablog.com/entry/2013/08/09/210240